Grim Timのサイズ感について――スキニーなのか、スリムなのか――
Grim Timのサイズ感が全く違う件について
うちのGrim Tim4兄弟 (姉妹?)
私見ですが、2012年から2019年ごろのどこかの時点でサイズ感が変わったと思います。今回はGrim Timのサイズ感がいつから、どのように変わったのか、着用例などを交えながら書いていきます。
1. 2012年のGrim Tim
初めて買ったのは、Nudie Jeansの代表的なモデルGrim Tim。
最初に買ったTimはDry Dirt Organic。28インチ。これは綿100%のデニムということもあって、買った直後はデニムが直立していました。ものすごく硬かったのですが、頑張って履き続けているうちに程よいゆるさになっていきました。色落ちは左膝が擦れてしまって真っ白になってしまったので、断念しました。
今は近所の買い物からレジャーまで幅広く活躍してくれています。Nudie Jeansでは重めの14オンス程度ということもあって、特に冬は重宝しています。
2本目に買ったのは、Dry Dirtよりも若干細めのモデル。ORG. White Knee。28インチ。綿98%のEA2%でややストレッチが効いています。Dry Dirtが硬すぎて太ももが痛かったので、最初から少し柔らかめの加工デニムに手を出しました。今ではかなり伸びてしまいましたが、買ったときは抜群のスリムシルエットでした。
この8年で数え切れないくらい履きました。新品で買ったときよりもワイルドな色落ちになりました。そして、洗っても洗ってもとれないほのかな油粘土の香りもつきました。
この2本を買った後、Thin FinnやTape Tedなどの別モデルにも手を出していくことになります。今持っているThin Finn は、12オンスほどのモデルなので、夏に重宝しています。他のモデルは、修復不能なダメージを受けたので処分してしまいました。
その時は、Nudie Jeans以外にG-StarやDieselにも手を出していましたが、ここ4年くらいはナチュラル志向が強まり、A.P.CのPetit New StandardとPetit Standardばかり履いていました。この2本の詳細は別記事で。
2. 2019年頃のGrim Tim
2018年頃からじわじわとワイドパンツがブームになったのですが、スキニーを履きたい気分になり、またNudie Jeans を探し始めました。ただ、20代半ばから後半に差し掛かろうとしていたこともあって、ピチピチのスキニーは年齢的にも精神的にもキツくなってきていました。そんなときに、Grim Timを買おうと思い立ちました。Dry DirtもWhite Kneeも程よいスリムシルエットだったこともあり、ちょっと大人なスタイルに完璧に合いそうなので、メルカリで状態の良さそうなTimを探すことに。
そこで見つけたのが、ORG. Dry Navyの28インチ。綿99%でポリ1%のストレッチデニム。Dry Dirtがやや太すぎたのですが、記載の寸法的には28インチでちょうどよいだろうと思って5000円くらいで買いました。ほとんど履かれた様子もなく、かつ濃いネイビーカラーが上品。
が、履いてみるとこんな感じに。。。
同じく28インチで綿100%のDry Drit Organicと比べると差は歴然。
嫌な予感はしました。裾幅が思ったよりも細いし、なんだかウエストも持った感じからして細いような？？？
とはいえ、せっかくなので何度か履きました。冬場はロングコートと合わせると、スタイルがよく見えるような気がします。が、夏場はTシャツと合わせると貧弱の一言。やっぱり細すぎるような気がするんですよね。
もしかしてモデルが変わったのかと、この時少しだけ頭をよぎりました。
3. 懲りずにもう一本
あのTimはたまたま細いモデルだったんだ、と自分を納得させ、再びメルカリでTim探し。次はややグレーがかった上品なカラーのTimを発見。ORG. Clean Navy。ウエスト27。綿98%にポリ2%の良いバランス感です。記載されていたサイズ感も悪くない。
ということで、また買いました。今回も5000円くらいでした。
ですが、また悪夢が。やっぱりスキニーになってしまう。
これもチェスターコートなんかに合わせると良い感じなのですが、いかんせん細すぎます。色味は抜群にいいだけに、残念です。この2本を買ってみて、Grim Timのサイズ感がここ数年で大きく変わったことがわかりました。
↓からDry Open NavyというおそらくDry Navyの後継モデルを見れます。
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価格:16,500円 |
4. Grim Timに何が起きたのか？
Grim Timに何が起きたのか？あくまでも推測ですが、思い当たることを以下に書いておきます。
履き比べてみると、2012年のTimと10年代後半のTimは、モデルチェンジに等しいほどの違いがありました。2012年のTimは、Nudie Jeansの「スリムシルエット」だったと思います。Petit New Standardを全体的に少し太くしたくらいのスリムシルエットでした。日常生活で一番使いやすいサイズ感ですね。
2019年のTimは完全にスキニーです。さすがに驚いたので、すぐにNudie Jeansの直営店でThin Finnの後継モデルのLean Deanやもっと細身のTited Forなども試着してみました。が、やっぱりTimが全体的に一番細い。現行モデルの中でもTimが一番細く感じました。多分、あまり伸びないストレッチ素材を使っていることと、単純に全体的に細いことが要因だと思います。
一応、数字を出してみます。綿100%のDry Dritは、ウエスト37cm・太もも24cm・裾幅16.5cm。ポリ1%のORG. Dry Navyは、ウエスト34cm・太もも22cm・裾幅15cm。数字で見ると大きく変わることはないのですが、やはり全体的な締めつけ感が全く違うように思います。スキニーやスリムシルエットは、ほんの1・2cmの違いで全く違うフィット感になるという典型例ですね。
イメージとして、2012年のGrim Timの28インチは、2019年のTimだと30インチか31インチに相当します。31インチを試着すると、確かにスリムシルエットという感じでした。が、やはりサイズアップして履いている感は否めないので、太もものもたつきやヒップのゆるさがどうしても気になります。2012年のTimのフィット感を求めると、おそらくSteady Eddieに行き着くでしょう。Steady Eddieが細身のスリムデニムに一番近いイメージでした。
以下、ぼくの個人的な雑感です。昔Nudieのコレクションは、Average Joe→Slim Jim→Grim Tim→Thin Finn→Tape Ted→(2つくらいスキニー)→Tight Long Johnの順に細くなっていきました。そこで、Grim TimとThin Finnの間にかなりのサイズの谷間がありました。Slim Jimは太ももが細く、裾がストレートの微フレアシルエット(Petit Standardに近い)。Grim Timは太ももが太く、裾にかけてテーパードするスリムシルエット。Thin FinnはGrim Timの裾にさらに絞りをかけて裾をスキニーにした、いわゆるバナナシルエットでした。
一見すると棲み分けはできているように思えるのですが、実はTimとThin Finnの間にかなりサイズの谷間ができていました。つまり、Timの28インチとThin Finnの28インチはサイズ感が全く違ってしまい、両者のシルエットに大きなズレが生じていました。下手すると、Slim Jimの方がGrim Timよりも細く感じることもありました。そうなると、Grim Timはカタログ通りのスペックではないことになります。そこで、Nudie Jeansのパタンナーたちは、Timを太めのレギュラー側に寄せるか、それともスキニー側に寄せるかという決断を迫られ、スキニー側に寄せたのではないでしょうか。そうすると、Grim Timはスキニーに近いスリムシルエットで、Thin Finn (今はLean Dean) はスキニーに近いテーパードモデルという棲み分けに変更することができます。
5. 結論――Grim Timのサイズ感はしっかり確認しよう――
ECでGrim Timを買うときは、そのモデルが一体何年ごろのものなのかしっかり見極めた方が良いです。また、カタログ通りの数値でも他のモデルに比べてストレッチが効かないので、かなり硬く感じると思います。カタログスペックで良いと思ったら、そこから1インチ上げてジャストというイメージを持つとうまくいきます。
Grim Timはスリムストレートではなくて、スキニーだと思った方が精神衛生的に扱いやすいです。なので、Grim Tim=スキニーとストレートの中間という宣伝文句はあまり信じないほうが良いかもしれません。少なくとも、ぼくは次にTimを買うときは数値をしっかり確認して、2インチくらい上げると思います。
