ポストマン vs ミルワン (Mill-1)―レッドウィングのドレスシューズの比較
レッドウィングのポストマンとミルワンを比較します
アメカジのブーツといえば、まずはレッドウィング。メイド・イン・USAを貫いて、3~4万円でブーツを買えるお手頃なブランド。
レッドウィングといえば、カジュアルなワークブーツのイメージが強いですが、実はドレスよりのシューズもリリースしています。今回はその中から、ポストマンとミルワンを比較していきます。
1. ポストマンの外観
こちらがポストマンの外観。
ガラスレザーを使っているのですが、ツヤ感は控えめでマットな光沢を放っています。テカテカというよりは鈍い光沢です。以前はツヤツヤのガラスレザーを使用していたようなのですが、近年のモデルチェンジでマットになったようです。個人的にはツヤ感が控えめな現行モデルが好みです。ツヤ感の強いポストマンが欲しい方は、コーヴシューかレイバラーシューズが良さそうですね。
こちらがコーヴシュー。ツヤ感もあり、お値段もお手頃です。買った方のレビューなどを見る限りでは、ポストマンにはおなじみのSRタグもついているようですし、ブランドにこだわらなければ、こちらでもありかと思います。
価格:17,800円 |
レイバラーシューズはおそらく日本のメーカーが作っているのではないかと思われます。Laborer Shoesで検索しても、海外メーカーの情報はほとんど出てこないこともあり、日本で製造・販売されているのでしょう。メイド・イン・USを志向される方だと対象外かもしれませんが、品質は悪くないようです。
レッドウィングのポストマンは、ツヤ感がないといっても磨き方である程度の光沢は出てきます。が、僕はあまり光らせたくないので、こちらのクリームを使って月1くらいで磨いています。 コードバン用のクリームということで販売されていますが、ガラスレザーにも対応しています (商品の説明欄にもガラスレザー対応と書いています)。といっても、やはりガラスレザーなので、ブラシで押し込むというよりは、どちらかというとクリームを乗せて布で磨くという感じが強いです。適当な布で磨くと、ほどほどなツヤ感が出てきます。それでも、もう10回以上はこのクリームを塗っているので、馬毛ブラシで軽く磨くだけでもそれなりにツヤ感は出るようになりました。
M.MOWBRAY M.モゥブレィコードバンクリームレノベイターコードバン、ガラスレザーの補色クリーム 価格:1,650円 |
僕はM.モゥブレイを使っていますが、コロニルのコードバンクリームも評判が良いようです。使い切ったら試してみます。
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2. ミルワンの外観
つづいて、ミルワンの外観はこちら。
ポストマンに比べて、明らかに革が分厚く、光沢感もあります。また、ソールもかなり違いますね。ポストマンがフラットソールなのに対し、ミルワンはヒールが付いたセパレートソールです。履き心地は個人の好みによる部分が大きいですが、個人的にはミルワンの方が好きです。ヒールがあると革靴を履いている感覚が強く、自然と背筋が伸びますね。
また、ミルワンはセパレートになっているので、ソールが減ってきても一部だけ交換できるというのも嬉しいです。ポストマンはフラットな分、シューグーのように補修になってしまいます。部分補修か全体の交換か、という二者択一になってしまうのが悩ましいところです。また、並べて見ると、ミルワンの方がヒールも高く、踵のホールド感もしっかりしているように見えますね。この印象は履いたときもほぼ同じです。
3. サイズ感
ポストマンとミルワンを比べると、確実にポストマンの方が小さいです。僕の足は実寸でだいたい25.2~5くらいなのですが、ポストマンはUS7、ミルワンは6ハーフを履いています。参考までにオールスターは、US7.5を履いてジャストサイズです。特にポストマンは横幅の締め付けがかなりキツめで、6.5を選ぶとかなりストレスがありました。甲は靴紐の調節でなんとかなりそうでしたが、サイドの締め付けは、たとえ革が伸びたとしてもキツいままだったと思います。
また、同じレッドウィングのベックマンも6.5より7の方がスムーズに履けました。やっぱりレッドウィングはやや横幅がキツめにできているので、心配な方はサイズアップして中敷きを入れるという選択肢もありですね。僕は中敷きを入れるのがとにかく苦手なこともあり、ベックマンではなく、よりジャストフィットした1000マイルブーツを買いました。
続いてミルワンのサイズ感ですが、ポストマンに比べると全体的に横幅がやや広い印象です。上から比べてみると、やはりミルワンの方がポストマンよりも幅広にできています。特に甲からつま先にかけて、やや広がっているように見えますね。
ミルワンの7を最初に試着したときの印象は「確実にワンサイズ大きい」という感じでした。ここまではっきりとサイズの大きさを感じるとワンサイズ落とすのも楽なんですが、微妙だと難しいですね。ミルワンは6.5でまさにジャストサイズです。どこかが擦れたり、足が遊んだりということもありません。強いていえば、かかとの部分がややゆるいでしょうか。
一方で、ポストマンは6.5だと甲の締め付けは完璧なのですが、横幅がキツめ、逆に7だと甲がゆるく、横幅がジャストです。なので、ポストマンを履くときはかなり紐を締めてちょうど良い履き心地です。ただ、レザーソールだと少しずつ足が沈んでいくので、朝履いて夕方になると少しゆるくなっているような……歩きやすさは本当に素晴らしいのですが。
おそらく、僕の足を基準にして考えると、基本的にレッドウィングだと7がジャストサイズだと思います。一部、6.5に落とす必要がありますが、それ以外は7でフィットします。といっても、ベックマンを試着したときは、ブーツの革が固すぎて擦れそうになったので要試着なのは間違いないですね。
4. 価格
ミルワンとポストマンは、両方ともデイリーユースでは非常にタフで使いやすい靴です。ただ、なんといってもお値段にかなりの差があります。ポストマンはだいたい4万円前半、セールだと3万円代後半くらいで買うこともできますが、ミルワンは5万円オーバーでセールなどもほぼなし。ミルワンの方が1~2万円ほど高いということになります。
追記:ミルワンは廃盤になってしまったようで、今は入手困難になってしまいました…ミルワンに一番近いのは、サンダースのオフィサーシューズだと思います。下記にリンクを掲載しています。
価格:50,600円 |
正規取扱店 RED WING(レッドウィング) 0101 POSTMAN SHOE(ポストマンシューズ) Postman Oxford 価格:42350円 |
個人的には、ミルワンの5万円にはその価値があると思います。もちろん、ポストマンもデイリーユースに耐え、メンテナンスも楽で歩きやすい最高のレザーシューズです。が、それ以上に、ミルワンの雰囲気はオフィサーシューズに非常に近く、ビジネス用の革靴にはない堅牢で無骨な印象はまさにレッドウィングならではのもの。写真で見ると、ドレスシューズよりな印象があるかもしれませんが、実際に履いてみると無骨です。スーツに合わせても極端な違和感はありませんが、足元だけ強そうな人になれます。自然に背筋が伸びてきます。今はUSネイビーのデッドストックもなかなか手に入りにくいですし、オフィサー系でUSメイドだとミルワンが一番の候補になってくるのではないでしょうか。それ以上の価格帯だとパッと手をだしにくいですし。
USメイドにこだわらなければ、サンダースのオフィサーシューズもいいですね。このミリタリーオフィサーもなかなか良い感じで、次はこれを買おうと思っています。ミルワンよりも軽くてしなやかな印象です。まぁ、サンダースだったらダービーの方を買う人が多いと思いますが…
価格:58300円 |
そういえば、レッドウィングのポストマンには少し上品なチャッカブーツもあります。雨のときに良さそうなのですが、2ホールということもあって甲のホールド感がやや弱そうなこともあり、今は購入を見送っています。ですが、履いた時の貴族感というか上品な雰囲気はなかなかのものがあります。
5. まとめ
ポストマンとミルワンの比較をしてきましたが、結論としては、僕はミルワンをおすすめします。やはりミルワンの無骨で堅牢な雰囲気は、ポストマンにはないものです。さりげないゴツさを演出できるので、そこが何よりも魅力です。ですが、ポストマンはとにかく歩きやすく、かつ上品であるというところは魅力ですね。気兼ねなく履ける革靴をお探しの方にはポストマンが良いかもしれません。あと、オールソールのタイミングで、ヒールを付けてセパレートにするのも面白いかもしれません。もう一足ポストマンを手に入れたらやってみたいところではあります。